マレイン(ビロードモウズイカ)は、
コナコナしたビロードのような葉・花茎と
鮮やかな黄色の花、
育つと人の背丈ほどにも大きくなる植物です。
ギリシャ・ローマ時代から愛される植物で、
ディオスコリデスが呼吸器のトラブルに良いとすすめて以来、長く使われて来たハーブですが、
科学的なデータの少なさや、種子や葉から毒性成分も見つかったことなどもあいまって、
フィトテラピーのメジャー植物でなくなりつつあります。
私は形や色が大好きなので、赤穂の畑で大事に育てています。
光と空気をできる限り遮断するために、
新聞紙やキッチンペーパーで挟んで(何度も取替えながら)、
冷暗所で保管してゆっくりと乾燥させます(冷蔵庫でも可能)。
お花の部分を丁寧に摘み取りましたが、やはり変色します。
インフューズドオイルにしても、チンキにしても、
粘りのある粘液質が感じられます。
お花の色素は、古くから染料として利用されています。
かなりはっきりした黄色で、水溶性が高いようです。
(右から水、含水アルコール10% 45% 75% スピリタス)
1時間も待たずに、鮮やかな黄色が出ますが、すぐに変色してしまうので、
いつもくすんだ黄色のチンキになります。ほとんど茶色に見えます。
花穂や葉にたっぷり含まれる、粘液質やサポニン、グリチルリシン系成分が、
喉の乾燥、去痰、感染症の殺菌や、皮膚粘膜のトラブルに幅広く使われています。
花穂や葉の浸剤では毛をしっかりと濾過してください。
余計に咳き込んだり、粘膜に不快感を感じる方も多いです。
酵素阻害や表面抗原タンパクへの働きなどもわかってきて、
とても注目しているハーブです!
詳しくは、イタリア薬草学や、プロフィール講座でも取りあげます(´▽`)
石橋