今年は2月3日が春の節分でした。
旧暦において、節分は1年に4回、
立春、立夏、立秋、立冬の前日をいいます。
いわゆる季節の変わり目の晦日にあたります。
この中でも、
1年の始まりである立春の前日「春の節分」は、
新しい年の最初の節分でもあり、春のはじまりでもあり、
重要な「区切り」として、いまも年中行事として受け継がれています。
古くから伝わるものが好きなので、
こんな日は、背筋をただして気持ちよく迎えたいものです。
とはいえ、相変わらず時間と物事に追われるように、
慌ただしい日々を過ごしているのが現実です。
一人暮らしの私は、巻き寿司も豆まきもありません。
今年の恵方の南南東って、どっちだっけ?と、
朝日の昇る方からぐいっと右方面を見ても、
視界を塞ぐビルの向こうに吉報があるとも思えずに、
とにかく仕事だ!と、
認定校・認定教室で使うチンキをせっせと漬け込み、
入荷したハーブサンプルのクオリティチェックをして過ごしました。
忙しくて、キリキリすることもあるけど、
ハーブやアロマが好きだから、たまらない時間です。
寝る間際になって、
ソラマメのフライをポリポリしながら、
ちょっと高価な岩茶に黒豆茶をブレンドして飲んでみて、
豆に関わってみる悪あがきにて、今年の春の節分は終わりました。
節分に豆を蒔く由来には諸説あり、
①中国では大豆には鬼毒を殺すとか、痛みを止めると伝わる説
②豆は「魔目」と書き、鬼にぶつけて、鬼の目を滅するとされる説
③日本のお清め儀式は、「払う」「射る」から、炒り豆まく説
などが知られています。
豆ならなんでもいいのですが、
やっぱり大豆の炒り豆がしっくり来るのは、経験と習慣なんでしょうね。
ちなみに豆と種の違いは、線引が難しくなっています。
しいていえば、マメ科の植物の、莢に入った種子を豆と呼ぶことが多いかな。
でも、アオイ科なのに「カカオ豆」とか、アカネ科なのに「コーヒー豆」って言ってしまいますよね。
本来、豆も種なので、
種の内側に豆のグループがあると考えるとスッキリします。
そんなことを考えていたら、つい幸せな夜更かしをしてしまいます。
節分に限らず、
季節を感じることができる瞬間は、実はそこここにありますね。
私たちには、植物があるから、
何かに縛られずとも、気持ちひとつ変えてみるだけで見つけられるものなのかもしれませんね。
石橋志保