先日、本位田先生にガイドをお願いして、布引ハーブ園に行ってきました!
たくさんの植物がある中、皆さんから一番歓声があがっていたのは、やはりリンデンでした。
布引ハーブ園には、複数のエリアでリンデンを観察することができますが、特に風の丘のリンデンを愛する人たちは多く、本位田先生とも、やっぱりあのリンデンが一番いいですねとおっしゃっていました。
ちょうど今年のリンデンが入荷したので、皆さまへのお土産に入れさせていただきましたが、そちらの品種が、テキストの定番Tilia europaeaではないのと、菩提樹との違いについてご質問があったこと、そして本位田先生のお話にもリンデンの品種のお話しがありましたので、データの部分だけ簡単にまとめてみたいと思います。
まずは共通点から
アオイ科 シナノキ属
落葉高木
古い植物分類体系(クロンキスト体系、新エングラー体系)ではシナノキ科でしたが、最新のAPG体系ではアオイ科(Malvaceae)に分類されます。
①ボダイジュ/菩提樹
アオイ科 シナノキ属
学名 Tilia miqueliana
中国原産 日本の寺院でもよく見られる種
お寺に植えてられていることからインドボダイジュと、また花も香ることからセイヨウボダイジュと間違えやすい
②インドボダイジュ/印度菩提樹
クワ科 イチジク属
学名 Ficus religiosa
「仏教三霊樹」のひとつで、釈迦が悟りを開いたといわれる菩提樹で、仏典では「テンジクボダイジュ(天竺菩提樹)」とも呼びます。
ほかのボダイジュと大きく異なるクワ科イチジク属です。
③セイヨウシナノキ(セイヨウボダイジュ)/西洋菩提樹と、その交配親
アオイ科 シナノキ属
学名 Tilia ×europaea
ナツボダイジュ(T. platyphyllos)とフユボダイジュ(T. cordata)の交配種
ハーブの教科書では T.europaeaが掲載されていますが、弊社ショップでは、ナツボダイジュやフユボダイジュを扱っています。
④シナノキ/科の木・榀の木
アオイ科 シナノキ属
学名 Tilia japonica
日本固有種 割り箸、ベニヤ板、和紙の原料、北海度の木彫りの熊の材料に
⑤ルドラークシャ Rudrakshaホルトノキ科 ホルトノキ属
学名 Elaeocarpus ganitrus
インドジュズノキと呼ばれ、ネパールやジャワ島などで栽培され、数珠(マラ)に用いる実=ルドラクシャを得る
ルドラクシャの実は、菩提樹の実とも呼ばれているので混乱を招く
ざっと主な種と、混乱しやすい植物を上げてみました。
リンデンもシナノキも見分けは難しく、20m以上になる高木なので、観察もままなりません。
布引ハーブ園は、観察しやすい庭作りや植栽になっているので、また花の時期に行かれますことを、ぜひおすすめいたします。
次回は リンデンのチンキとリンデンティー です。