先日、認定教室の先生方と一緒に、廣田農園さんへカレンデュラ摘みに伺いました。

廣田さんと知り合ったのは、もう十数年前のことになります。
もともと仏花として長年カレンデュラを栽培しておられました。
私が初めてお伺いした2013年頃は、ちょうど食用栽培を始められたばかりの時期でした。
淡路島の東の海岸沿いに広がるカレンデュラ畑の美しさ。
その光景を、私は今でもはっきりと覚えています。
無農薬で育てること自体が難しいカレンデュラを、
ビニールハウスを使わず、天候の影響を受けやすい露地栽培で、
こんなにも立派に、美しく育てている。
そのことへの驚きと感動は、初めて畑を目にしたときからずっと変わりません。

その頃すでに、廣田さんは、
カレンデュラがメディカルハーブとしてもさまざまな成分や働きを持ち、
欧米では肌のケアや健康維持に広く活用されていることをご存じでした。
さらに、ご自身の身近な方々にもカレンデュラのケアを喜んでいただけたことから、
もっとこの植物の魅力を伝えていきたいと、
その熱い思いを、いつも穏やかに語っておられたのを覚えています。
ただ当時は、まだ今ほど理解も広がっておらず、
その価値を周囲にわかってもらうのが難しい時期でもあったそうです。
今でも時折、その頃のことを振り返りながら、お話ししてくださることがあります。
それでも植物の可能性を信じて、丁寧に育て続けてこられた。
その積み重ねが、今の廣田さんとカレンデュラが愛される理由なのだなと思います。
2019年には、有機JASマークの認定証を取得されています。
説明不要の廣田農園のカレンデュラがますます広がっていることを、今回のお話しの中でもたくさん伺い知ることができました。
十数年経った今も、廣田さんは変わらずお元気で、お肌もつやつや。
会うたびに、こちらまでほっとするような、実家のようなやさしさがあります。
いつも、お手伝いの方やスタッフの皆さんにもあたたかく迎えていただき、
今回もたくさんお世話になりました。
帰りにはお土産までいただいて、あたたかさに包まれた気持ちの良い一日でした。
この日は雨だったので、摘んできたカレンデュラの花びらの隙間にも、水がたっぷり入っていました。
カレンデュラはカビやすいので、しっかりと水を切り、新聞紙で水を吸わせながら持ち帰りました。
帰宅後は、冷風に当てながら新聞紙にのせて、花びらの形を整えるように、花の向きや位置を変えながら自然乾燥させています。
紫外線にあてるとβカロテンはじめとする成分の劣化が激しいので、室内でペーパータオルや新聞紙をかけて乾かしていきます。
もちろん、花や果実用の乾燥機があれば、ひと晩でしっかり乾きます。
インフューズドオイルにする場合も、溶媒の油脂が水分を嫌うので、出来る限り水気はとりたいです。1日2日乾かしたほうが、溶媒の油脂のダメージを減らせるのでおすすめです。
石橋志保
CARACAROフィトテラピースクール代表
植物療法講師/ハーブ専門家
植物文化・死生学・ライフデザイン研究家
神戸を拠点に、伝統的なハーブ療法に、現代の成分化学、生化学、分子生物学などのサイエンスの観点を取り入れ、エビデンスベースなハーブ・アロマテラピーを展開。キャリア30年以上のプロ養成スクールを運営・指導。フィトケミカルや植物辞典など植物の科学と文化を幅広く発信。
植物と宗教・民俗、 死生観・ライフデザインをテーマに、講座やワークショップの企画運営、 講演・執筆活動を行う。
幼少から植物栽培、発酵・歴史・文化・宗教・民俗が大好物。修士(人間学)専攻は人間社会学、専門は死生学(災禍の儀礼、祈り、悲嘆ケア・グリーフケア)。神話・宗教・芸術と植物から、人が植物に託した思いを紐解き、祈りや儀礼とともにトランジションをデザインする「ハーベストライフ」を提唱、執筆講演活動中。




