青梅ジャム:フィトケミカルクッキング

5月末~7月は、青梅の季節です。

青梅は、主に梅酒や梅シロップに使われますが、
私が大好きなのは、ジャムです。


完熟梅でもとても美味しいジャムができますが、
青梅のパワフルな酸味と、爽やかでいてとろけるような香り、美しいウグイス色は、
初夏にぴったりの仕上がりになります。

青梅を扱ううえで、大切なのは次の2点です。
✔ 毒素アミグダリン 毒を香りと甘味に分解する
✔ クロロフィルを優しく殺して 色素を引きだす

フィトケミカルの知識を活かしながら、
青梅から完熟まで、その時々の梅を楽しみましょう。

【材料】
青梅
グラニュー糖

【用意する道具】
鍋:銅かホーローがおすすめ 酸につよいコーティングもOK
ボウル:梅を水にさらしておくためのボウル
穴あきお玉:ゆでた梅をすくうため
大きなボウル:ゆでた梅を冷やすため
厚手のゴム手袋:ゆでた梅を潰して種を取るため
保存容器:ガラスのジャム瓶、アルミパックやジップロックも可能
保存容器を煮沸する鍋、トングなど
パストリーゼなどの食品用消毒液
スケール(はかり)

【作り方】
①青梅はヘタを取って、さっと洗い、水に1時間ほどさらしておきます。

②鍋に①の梅を入れて、かぶる程度の水を入れて、沸騰させます。アクがでたら取り除きましょう。
③沸騰したら中火から弱火にして、梅の皮がやぶれ、竹串が通る柔らかさまで煮ます。

④煮えたら梅を引き上げて冷水で冷まします。
⑤厚手のゴム手袋を着けたら、新しいボウルの中で梅を潰して種を取り除きます。皮は気になったら取り除きます。

⑥とれた梅の果肉量を量ります。
⑦果肉量の80%程度のグラニュー糖を量ります。
⑧果肉を鍋に入れ、量ったグラニュー糖の半分を加えて、焦げないように混ぜながら煮詰めます。アクがでたら取り除きましょう。
⑨20分ほど煮詰めたら、固さを見ながら残りのグラニュー糖を調節して入れます。冷めると固くなるので、柔らかめで止めましょう。

⑩粗熱をとってから、煮沸消毒かパストリーゼなどの食品用消毒液で消毒した保存容器へ移します。

【保存】
煮沸消毒ジャム瓶で脱気をすれば、半年~1年保存できます。
脱気なしの場合は、消毒したスプーンを使って、冷蔵庫で1-2週間です。
アルミパックジップロックにいれて冷凍保存すれば半年~1年保存できます。



■青梅をつかって、毒素は大丈夫なの?

青梅には毒成分である「アミグダリン(青酸配糖体)」が含まれます。
アミグダリンは、完熟するにしたがって加水分解されて、「ベンズアルデヒド(芳香族アルデヒド)」という梅の香り成分となります。
また、青梅を加熱、発酵、酢やアルコールに漬け込むことでも、アミグダリンが分解されて、ベンズアルデヒドが生成されます。

このジャム作りでは、しっかりと水にさらし、一度ゆでて、さらに加熱することで、アミグダリンの分解を図ります。
加熱するにしたがって、青梅のさわやかさに、あまくとろけるようなベンズアルデヒドの香りが立ってきます。
この香りの効果は絶大で、ついつい梅仕事に夢中になってしまいます。


■梅シロップより砂糖は少なめ?砂糖の量は減らしてもいい?
ジャムの保存期間は、糖度による変動が大きいです。とくにカビや有毒な腐敗は、糖度が下がると容易に起こります。
家庭の中では、滅菌はもちろん、殺菌消毒にも限界があると思っています。
そのため、砂糖量は多め設定することを推奨しています。
今回の梅は、果肉の80%程度がおすすめです。固さの調整で減らしても60%以上となるようにしていただけたら安心です。

また、水分に酸素が溶け込むことで「酸化」が起こると、味も色もフィトケミカルの働きも落ちてしまいます。
水分に砂糖が溶け込むことで、酸素の溶け込む量を減らすことができるので、砂糖は、植物の味や色、風味を守る働きを担ってくれています。

■銅は酸に弱いし、からだに良くないと聞いたことがありますが、銅鍋はいいでのしょうか?
熱伝導率の高い銅は、短時間で果物に火が通るため、ジャム作り鍋の王様です。
銅は錆びにくい金属ですが、酸や塩に弱く、傷があるとそこからサビがでることがあります。
そのため、取扱いや保管に気を使う素材でもあります。
今回も梅の酸が強いため、銅鍋を使う場合は、傷がないか確認し、仕上がった梅ジャムを銅鍋に放置しないようにしましょう。
サビや傷から大量の銅イオンが流出するのは、やはり食品にも身体にも良くありません。
注意:銅鍋や銅板にサビがないことを確認してから使用してください。

■銅イオンとクロロフィル
美しい緑のクロロフィルは、酸化しやすく非常に不安定な物質です。
熱をかけることで、まずはクロロフィルを変化させる酵素を抑えます。
しかし、すべての酵素反応を抑えることはできません。
そこで銅鍋を用います。銅鍋からは調理中に、銅イオンが溶け出します。
参考:https://studio-andou.com/case/copper-ion/
クロロフィルと銅イオンが結合すると、銅クロロフィルとなり、安定します。
銅鍋がない場合は、製菓用の銅板がありますので、それを入れても構いません。
注意:銅鍋や銅板にサビがないことを確認してから使用してください。


【CARA-CAROフィトテラピースクール】
色味香りの成分と働きを学び、「食」や「香り」を通じて、生活を豊かに健やかにするフィトテラピーが学べます。
一般の向け:CARA-CARO認定教室 全国30教室
https://caracaro.com/classroom/
講師、資格取得後のブラッシュアップ:CARA-CAROフィトテラピースクール 本校

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著作情報

【運営・著者】
CARA-CAROフィトテラピースクール
神戸三宮本校とオンラインスクールで、ハーブ・アロマ・フィトテラピーの専門講座と講師養成講座を開講しています。

植物療法を通じて、動物・植物・微生物のいのちの営みと、人が紡いできた歴史・文化に触れながら、知的な豊かさと学ぶよろこびを分かち合うことをミッションに活動しています。

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