発酵に関するご質問をいただきました!
「チーズは、発酵でつくる乳製品だと思うのですが、
自家製カッテージチーズは、発酵しないレシピがあります。これって、何が違いますか?」
とっても良いご質問です!
私も、カッテージチーズを買ってくることもあれば、少量ならミルクからササッと作るカッテージチーズもどきを作ることもあります。
その2つの違いを、製法・成分変化・食べるときの注意まで踏まえて、ご紹介したいと思います。
■カッテージチーズは、発酵食品
カッテージチーズは、本来は、脱脂粉乳を発酵させて凝固させたもの=発酵食品です。
古代ギリシャの『イーリアス』やアリストテレス『動物誌』にも記載がある、伝統的な発酵乳製品の1つです。

■カッテージチーズの発酵のメカニズム
カッテージチーズの発酵方式は乳酸発酵です。
乳酸菌のチカラで、脱脂乳を分解し、牛乳のタンパク質(カゼイン)を凝固させます。
牛乳のタンパク質(カゼイン)は、pHが弱酸性4.6前後で、凝固してカード(凝乳)となります。
時間をかけてホエイ(乳清)を絞って、水切りすると、カッテージチーズの完成となります。
このときに使われる乳酸菌は、中温で活性化する乳酸菌 Lactococcus lactis が多いです。
また、タンパク質凝固を起こさせるために、凝乳酵素キモシンを含む「レンネット」を加えます。
発酵だけでなく、凝乳酵素を使用しているところが、カッテージチーズ最大の特徴でもあります。
※タンパク質凝固とpHの関係は長くなるので後日追記します!
■凝乳酵素キモシンとは?レンネットとは?
レンネットとは、本来は、生後間もない反芻動物の胃(第4胃)の胃液を指します。
・反芻動物とキモシン
牛や山羊、羊などの、草を口で咀嚼して、反芻胃に送り、ふたたび口で咀嚼して…を繰り返して消化を行う動物のことです。よく、お口をもぐもぐしていますよね!
彼らには胃が3つ、または4つあります。

生後間もない反芻動物は、お母さんからお乳をもらいます。
本来は口と胃を行ったり来たりして食べ物を消化する生き物なので、消化に長い時間が必要なのですが、お乳は液体です。
そのままだと消化時間がたりません。そこで、第4胃の胃液キモシンがお乳のタンパク質を凝固させ、固形にし、胃のなかに留めることで消化しやすい状態にするのです。

草が食べられるように生長すると、キモシンは不要となりを作らなくなるので、「生後間もない反芻動物の胃液」と限定されることになります。
■現代の代用品
生後間もない反芻動物からレンネットを得るには、生まれて間もない尊い命を奪うことになってしまいます。
そこで、他にキモシンを産生する方法はないか研究が重ねられ、現代は微生物発酵により生産されています。
キモシンを産生できる微生物が存在したのではなく、遺伝子組み換えが行われた微生物たちが、発酵により植物からキモシンを生産しています。
しかし、伝統的なカッテージチーズの製法は、人間が考えた発明でもあり、文化でもあるので、その伝統を守るために必要最小限ですが、反芻動物からのレンネットが使われるケースもあります。
→ 続く Vol2 レモンやお酢で作るカッテージチーズもどきとは?


コメント