気持ちのコントロールと精神安定剤

実家ケア

歳を重ねると、怒りっぽくなったり、急に落ち込んだりしやすいと言います。
91歳になった我が家の母も、日増しにそれが強く出てくるようになりました。

もともと、自由な末っ子気質が強い人で、嫌な物はイヤ!楽しいことはトコトン楽しく、自由気ままに生きている人なので、その豊かな喜怒哀楽が、スパイク化して乱高下している感じです。

ただ、感情の表出を抑えこむタイプではないので、とってもやりやすいです。


■コントロールできない感情 ただただ不安

先日も、ベッドに突っ伏して、うわぁーっと泣くので「どうしたん?」と聞くと、「うまく言い表せない」「辛い」「助けて!」と言うのです。私は「そっかー、それは辛いね」「しんどいね」と背中をさするしかありません。

少し落ち着くと、その日は病院に行く日なので私が帰省しているのですが、「調子が悪くなって、病院にいけなかったらどうしよう」「娘に迷惑をかける」と思って、不安が増大してしまったようです。そしてイライラして父に当たり散らしてしまったと。

病院にいけないような身体的な不調はないですし、例えそうなっても、私がひとりで行って薬をもらってくるので何も問題はない。そして父も、当たり散らされても(畑で植物に癒やされたり、仏教のマインドフルネスで)やり過ごせる人なので、何も問題はないのです。

それなのに、急に「あり得ないこと」を心配したり「不安がよぎる」のが高齢者です。勝手に不安のタネを見つけてプレッシャーを感じてしまうんです。

■家族、親子だから難しい受け止めを 理論でかわす
そんな母を、若い頃と比べて「変わってしまった」と嘆いたりすると辛くなるので、私は「大切なクライアント」や「症例」という視点で捉えるようにしています。完全な仕事モードですが、大事なお客様だと思うと、辛くなったり、ましてやイライラすることなんてありません。

「ああ、前頭葉あたりが少しずつ萎縮するから、理性的・理論的な処理ができなくなってるのね」「91歳、自分より41歳も年上だから仕方ないよね」「私も含めて、長生きすればこそ、誰もが通る道」って思えば、何の期待もせずに声かけや寄り添いができます。

ただし、それもありがたい私の状況・環境だからこそだとは思います。
ある程度の知識があり、経験があり、仕事も頼れるスタッフがいて、生活も自分だけ。なんの世話もいらない、協力的な父しかいないありがたい状況だからこそ、そのように思えるんですよね。

気の置けない近しい間柄だからこそ、どうしても言葉や態度をまっすぐに受け止めてしまいがちです。かつては養育者であり保護者であり、自分のいのちを預ける全幅の信頼をしていた存在だからこそ、その人から向けられる言葉や態度には、酷く傷つき、怒りや悲しみに繋がってしまいます。幼少期や思春期に、親の言動や態度で辛い思いをされた方の中には、この介護期にそれが再燃してくる場合もあるので、専門家や社会福祉にお任せして、心身をしっかり休めたり、離れる時間を作ったり、ご自身のケアは絶対にしていただきたいと思います。

どんなに年齢を重ねても、生きることに直結した非常に強烈な「親と子」という関係であるが故に、こちらも平穏ではいられないのです。

そして、ご自身の生活も大切です。私も、もし子供がいたり、夫や義理の両親がいたり、父が自立してなかったら…会社などにお勤めしていたら…フリーランスでも、ひとりきりだったら…ペットを飼っていたら…自分が健康でなかったら…親や私が経済的に困窮していたら…などなど思うと、ずーんと頭や体が重たくなって、足元から崩れそうになります。今の自分は自由だから、こんな悠長なことを言っていられるのだと自覚しています。


■GABAやオキシトシン 薬だけでなくセルフケア・セルフメディケーション
なんだかんだとありましたが、結局、その日の心療内科も無事に受診できました。
いつものように自分の不調を自分の言葉でしっかりと先生に伝えることができました。

気分を安定させるために、GABA濃度を上昇させるお薬を出してもらって様子を見ることにしました。薬が増えることに抵抗や怖さが全くないわけではない母ですが、知人に服用している人がいることや、何よりも日常を楽しく過ごすことが最大の優先事項であることは理解しているので、薬を飲んで楽になるなら、それに越したことはないと納得していました。

加えて、軽めの鎮静作用があるアロマテラピートリートメントオイルを用意して、セルフでできるようにベッドサイドに常備しました。イライラしたり、不安があるときに、皮膚や嗅覚を通じた刺激で気がそれるし、アロマトリートメントのGABAやオキシトシンの効果は絶大です。何より自分で何かをすることで軽減すると、「自己効力感」が上がるので、セルフケア・セルフメディケーションは、できるのであれば、やらない手はありません。

デイサービスにも持っていき、時々、塗ってもらっているようです。スタッフの方にアロマテラピーが好きな方がいるようで、「いい香り!」とおっしゃっていただけたり、娘の職業に興味をもってもらえることや、その話題が出ることがとっても楽しいようです。

本当にたくさんの方に助けていただいて、母と父、そして私の1日が成り立っています。改めて感謝の気持ちでいっぱいになります。


■認知症と診断されなくても
母に関しては、認知症の中核症状(記憶障害、見当識障害、言語障害、実行機能障害など)はまったくないのですが、行動・心理症状(BPSD)は、不眠や不安、耳鳴りからの幻聴など、少しずつ現れているなと感じています。

少しでも多くの時間を確保して、高齢という不安だらけのステージで、母が楽しく笑ったりする時間が一瞬でも多くあるように、できることをしていきたいと思います。

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