感謝のワーグナーオペラとエルダーフラワー

雑記帳

びわ湖ホールプロデュースオペラ ワーグナー「ニュルンベルクのマイスタージンガー」を見てきました。

びわ湖ホール芸術監督の沼尻竜典さんが退任されるとのことで、彼の最後のプロデュース作品となります。

中学の入学祝いで、YAMAHAのオーディオセットをもらったときに、最初に買ったCDがワーグナーでした。朝の目覚ましを「ワルキューレの騎行」か「ローエングリン第3幕への前奏曲」でセットしていたほどワーグナーが好きで、いまでももちろん、一番好きな作曲家です。

彼のオペラ作品をすべて鑑賞するのが私の長年の夢ですが、びわ湖ホールと沼尻竜典さんのおかげで、こんなに近くの素晴らしいホールで、たくさんのワーグナー作品を鑑賞することができました。

■W10 ワーグナー10作品

冊子を振り返ると、

2010年『トリスタンとイゾルデ』
2012年の『タンホイザー』
2013年『ワルキューレ』
2016年『さまよえるオランダ人』

「ニーベルングの指環」(びわ湖リング)
2017年『ラインの黄金』
2018年『ワルキューレ』
2019年『ジークフリート』
2020年『神々の黄昏』

2021年『ローエングリン』
2022年『パルジファル』
2024年『マイスタージンガー』

以上で、W10(ワーテン)が完結となります。
私は,残念ながらいくつかを見逃していますので、W10のコンプリートならずでした。

■コロナ禍 初めての試み
これまで見た中で特に思い出深いのは、「ニーベルングの指環」『神々の黄昏』です。

2020年3月の公演だったのですが、ちょうどコロナ禍ということで無観客公演となり、youtubeで無料配信されることになりました。世界中のオペラ好き、音楽好きの方が見ていたと思います。

誰もが初めて経験する災禍で、先行きの見えない中、芸術の素晴らしさはもちろん、それを作り出すことができる人間の創造性や文化力、またその芸術や創造、文化への動機を与えてくれる自然の営みの尊さに、改めて気付くことができました。

そのことは、この公演だけではありません。様々な分野のアーティスト、スポーツ、お笑い、一個人の方まで、きっとご自身たちも大変な思いをされている中で、少しでもみんなを笑顔に!と、試行錯誤していろいろなものを届けてくださっていました。

本当にたくさんの方々の、いろいろな思いを背負われたコンテンツに、とっても救われたことを思い出します。コロナ禍だけが理由ではなく、仕事が忙しくなってからは音楽や演劇、お笑いなどを劇場に見に行かなくなっていたので、配信でたくさん見られたことで、また時間が出来たら足を運ぼう!と思いました。

それがあっての、今日という日です。


■ロマンチストな親方! マイスタージンガー
さて、この日の公演で私が楽しみにしていたのは、マイスタージンガー(職人であり歌手である)ハンス・ザックスの「ニワトコのモノローグ」です。ニワトコといえばエルダーなのですが、歌い出しから「ニワトコのいい香りがする~」というような歌詞で、しばらくニワトコの香りを褒めちぎるんです。


エルダーフラワー(セイヨウニワトコ)Sambucus nigra


小さな白い花が集まる花序
この可愛らしさに、聞き逃してしまいそうな繊細な香りに、多くの人が魅了されます。
穏やかでいて様々な薬効を持つ、薬草でもあります。


昔は、ニワトコやエルダーフラワーを知らなかったので、ピンときていなかったのですが、ハーブを仕事にしてからは、この歌詞がたまらないんですよね。正直言って、「ニワトコ(エルダー)って、そんなに香らないよね…」とは思うのですが、あの繊細なマスカット風の香りに気がつくのが、ハンス・ザックスという人の感性や芸術性だよね!って、今は思っています。

そして、あのワーグナーが、こんな繊細でロマンティックな歌詞を書くことも、ちょっと甘酸っぱい気持ちになっちゃって、それも好きなんです。

今回の公演のハンス・ザックスは青山貴さん。素晴らしい歌声で、ホール全体がうっとりと魅了されていました。


日本で、地方のホールで、お一人の指揮者の方がW10(ワーテン)を完遂するのは初めてとのことだそうで、ホール全体が、お祝いとねぎらいと感謝にあふれていたと思います。

沼尻さん、16年間ものあいだ、素晴らしい音楽をありがとうございました!
本当にいろいろなことがある中で、私たちが見えないところでの試行錯誤がたくさんあられての今日だと思います。
同じ時代に生まれることができて、幸せです。これからのますますのご活躍を楽しみにしています。

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