前回のお話し
日本でアロマテラピーを学び、
いま思えばマニュアル的な精油の活用ではあったものの、
香りの奥深い世界に感動して活動を始めた直後に、フランスに住むことになった濱田先生。
アロマテラピーの本場に期待に胸を躍らせていたのが、フランスの実情を知ってびっくり!
とはいえ、やはり精油製造の本場。たくさんの芳香植物に出会え、
自然療法士を通じてアロマテラピーの立ち位置を知るのでした。
自然療法士ドミニク・ドラポルト女史とともに、フランスのナチュロパシーを日本に紹介していたところ、
ピエール・フランコム氏を紹介されることになりました。
フランスのナチュロパシーを日本に紹介しているときに、
アロマテラピー界の重鎮ピエール・フランコムを紹介されることになりました。
これまでアロマの学校でその名前を学んできた私にとっては、
この出会いは本当に予想もしていないとても光栄なものでした。
ただただ、感動でした。
それ以来、
日本でのセミナー開催をコーディネートさせていただいたり、
セミナ―テキストの翻訳をさせて頂いたりを通じて、
彼のアロマ観を知ることになります。
ですが、本当に彼のアロマ観を理解するのは、実際に彼の講座を受講してからでした。
出会うまでも、
彼の著書『フランス・アロマテラピー大全』は、
アロマの上級登竜門的著書と感じていましたが、
この本を手にした当時の私には全く内容を理解する力もなく、撃沈でした。
また、お恥ずかしいですが、その当時(2008年)のセミナーテキストを翻訳しながら、
翻訳はできても、内容は理解できていなかったなあと振り返ります(ああ、もったいない。。。)
その内容とは、まさに現在のサイエンティフィックアロマテラピー講座の中心核をなすものとなっていますが、
そんなちんぷんかんぷん難しい作用機序の話は程々にして、
日本の皆さんは新しいレシピや、日本にない精油などにもっと興味があるんだ!
なんて、彼にせっついたこともありました。(今考えるとなんと失礼な!!)
今までのアロマテラピーの学びの視点とは全く異なるわけですから、当然なのですが…
やがて3人の子供たちも成長し、子育てが少し落ち着いたことで、
以前から受けたかった彼の講座をようやく受講できる機会がやってきました。
サイエンスをベースにした彼のアロマテラピーの講座は、目から鱗の連続!
現在分かっているエビデンスや研究データを元に構築される彼の講座は、
どのように、どうやって、どこに、どの成分が作用するか…
という事の説明に重きを置いています。
生徒たちからは、
どのくらいの量で?どの経路で?濃度は??
というような実用的な内容の質問が飛び交うのですが、
フランコムは言います。
「君たち、私はすぐにはレシピを渡さないよ。
だって、大切なのは、レシピを適用することでなく、病気や精油の成分のことを
まず理解することなのだから。レシピでなく、プロトコルが大切なのだよ。」
この時、初めて、ああ、これがアロマテラピーの根本だ!と思いました。
私の講座の中でもお話しますが、
こうしたフランコムのアロマ観は、彼が実際歩み切り開いてきた経験とアロマへの情熱により構築されたもの。
ただ、彼の考え方が全てだ!というわけでなく、
先人に学べといいますが、近代アロマテラピーから続く現代アロマテラピーの一世代を築いた
パイオニアの考え方に触れ、時に立ち戻り、
それを引き継いでいく私たちはどういう形でアロマテラピーを受け継ぎ残したいか、ということも
含めてアロマテラピーを安全に正しく伝えていく義務があるのではないかと思うのです。
ここに《フランスサイエンティフィックアロマテラピー講座》の元があります。
この講座では、真新しいアロマの考え方というよりも、
古くから培われてきたフランスで育まれてきたサイエンスベースのアロマテラピーを
今一度新しい見方や情報を入れこみながら理解し使っていきましょう!というスタンスなのです。
そう、なんだか、元にもう一度返るような。
その後読み返した『フランス・アロマテラピー大全』の内容が
スルスルと理解できるようになったことは言うまでもありません。
「ええっ!?もう30年前にすでにこんな大切なこと伝えてくれてたのに、見落としてたんだあ!」的な発見も多く。。。
私は、こうして覚えるアロマテラピーを卒業して、
考えるアロマテラピーの大切さに気づくことができました。
少なくともアロマテラピーを理解するうえで、
どのようなサイエンスの視点が必要であるかを知ること。
その視点さえあれば、
自分で何を調べていけばいいか、どう考えていけばいいかが分かってくる。
あとはどのようにでもアロマをアレンジして、
その人らしいオリジナルなアロマテラピーを作り出していける。
アロマの素晴らしさは、いろんな側面をもっていることだと思います。
でもその根本にあるのは植物です。
彼らの世界を理解し、恩恵を受け、守りゆく義務があるという思いを持っているか。
植物のサイエンスを学ぶとは、
ただ単に芳香分子の名前と作用やエビデンスが分かっていればいい、というわけではなく、
植物への畏敬の念を育み、学ばせてもらい、ともに自然の一部であることを自覚することなのかもしれません。
講座や情報交換などを通して、みんなで作り上げるムーブメント!
★地球と植物と人間のプラスの循環をつくる★
この循環に多くの方が参加してくださると嬉しいなあと思います。
サイエンティフィックアロマテラピー講座
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